ラファエロ前派の水彩画
上は、現在、京都駅の伊勢丹で開催中の「ラファエロ前派からウィリアム・モリスへ展」に出品されている、ロセッティの「レディ・リリス」(1867年)。
この絵は、水彩画である。画材として、水彩・顔料と記されてあった。
顔料をどのように使うのか、つまり、メディウムとして何を使っているのかは不明。
この作品のような、一見すると水彩なのか油彩なのか分からないくらいのしつこく描き込まれた水彩画が、この展覧会には数多く展示されている。どうも、今世間では水彩画ブームのように思われるが、技法書や水彩画の画集を見ても、いかにも水彩ですよというような似た傾向のものが多くて、私はそういう水彩画が好きだけれども、ラファエロ前派の画家たちの水彩もとても魅力があり、また、水彩でもここまで描けるかという重厚さには驚きを覚えた。
近くによって観察したところ、
1. 洗い出しをしている
2. スクラッチをしている
3. 細筆で根気強く塗り重ねている
4. ドライブラシを使っている
くらいのことは分かった。
あとは、自分でマネをして描いてみるしかあるまいね。
展覧会で気になった画家を二人記録しておく。
ウォルター・パウエル・デヴァレル(Walter Howell Deverell) 「アーデンの森のロザリンドとシーリア」・・・これは油彩作品で、森の植物がたいへん上手に描かれていて色彩が美しい。
ウィリアム・ベル・スコット(William Bell Scott) 「水門と湿地のある風景」・・・ この水彩画にはとくに感心した。