麻生三郎
麻生三郎展が、5日から京都国立近代美術館で始まった。
麻生三郎先生は、先生と言うわけは私の美大時代の主任教授だったからだが、とても寡黙な方でした。
私は当時、日本の現役の画家をほとんど知らなくて、麻生三郎なる画家が、どのような絵描きであるのかまったく知らなかった。だから、学校のアトリエで裸婦を描いているときに、後ろに麻生先生が立っても、「なんや、文句あるなら言うてみィ」くらいに思っていて、今から考えると汗顔の至りである。
麻生先生のことで印象に残っているのは、「学生が、絵の道で、間違った方向に行かないように指導するのが私の務めです」という意味のことを話されていたことで、つまり、個性はどんどん発揮してよいが、王道からはずれてはいけないということ。
未だに絵の道を模索しながら蝸牛みたいに進んでいる私は、あらためて麻生先生の作品に接して、何かしらのことをちょっとでもを学び取りたい気分が強くなっている。
始めます
2011年元旦。
何か新しい事を始めたい気分になったので、内容を一新してこのブログを続けてみたい。
とはいっても、書き手が同じなのだから、たかが知れたもの・・・。
さて、上の水彩画はバルテュスのもの。
セザンヌ調である。つまり、伝統的ということだと思う。セザンヌは伝統を重んじている。
バルテュスで記しておくことは、彼が、「私の作品は、窓から差し込む自然光で見よ」という意味のことを言っていたこと。作品の撮影のために正面からライトを当てたら、「絵が台無しになる!」とすごく怒ったという。
なぜなら、マティエールの効果で、フレスコ画のような落ち着いた微妙な色彩が表現されているのに、それがメチャクチャになるからだということ。
どこかでバルテュス展をしてくれないかなあ。じっくり検証したい。